市川市議会令和7年6月定例会 代表質問

市川市議会令和7年6月定例会 代表質問

赤レンガロゴ

赤レンガ建物と美術館構想

2025年6月12日、市川市議会令和7年6月定例会(第5日)で、石原よしのり議員(新しい流れ)による代表質問が行われました。
赤レンガ建物については、市川市への払い下げと活用についての(1)現在の状況、(2)今後の取り組みと見通し、でした。
美術館構想は、赤レンガをいかす会が、血清研究所跡地を「文化の拠点」として活用することも考えており、視野に入れておきたい構想として留意しています。
講演会「美術館は発見と出会い。」に参加して(高木彬夫)

市川市議会令和7年6月定例会
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代表質問通告
○市立美術館構想について
(1)田中市長就任以来検討を進めてきた市立美術館構想の進捗について
(2)実現への課題について
○旧千葉県血清研究所跡地にある赤レンガ建物について
(1)歴史的文化財としての価値が評価されている赤レンガ建物の本市への払い下げと活用については、大久保元市長、村越前市長、田中市長と3代にわたり意欲を持って検討がされてきたが未だ実現に至っていない。現在の状況について
(2)今後の取組と見通しについて


市川市議会令和7年6月定例会(第5日6月12日)3.代表質問(新しい流れ)
石原よしのり議員

11:22 市立美術館構想
(1)進捗状況
(2)課題

15:00 赤レンガ建物
(1)本市への払い下げと活用について現在の状況
(2)払い下げと活用について今後の取り組みと見通し

29:07
市立美術館構想
答弁 山影文化国際部長
(1)進捗
昨(令和6)年度、美術館構想担当室を新設し、構想策定に向けて作業を進めてきた。
芸術家や美術関係有識者などで構成する市川市立美術館整備検討委員会を設置し会議を開催。美術館のコンセプト、機能、役割などの意見を伺う。
他自治体の美術館整備事例調査、職員の研修会参加など情報収集を行いながら構想の素案を作成している。
検討委員会で出された意見として、コンセプトは「市川らしさ」「市川ならでは」を基本に考えるが、市川だけにとらわれすぎるのもよくない。作品などの収集、保存、展示公開に加え、
多様性、社会包摂、デジタル化などへの対応も求められる。学術的な調査研究に対応できる専門的な知識を持った館長や学芸員を整えることが重要である。美術館の力量は人員と事業予算額次第である。などがあった。
本市は文化の香り高い街であり、著名な芸術家の顕彰に加え、現在活躍中の人や作品を通じて、市民が心豊かな感性を育める場となるような美術館を目指すことが、現段階での大きな方向性であると考えている。
組織の見直しと組織数の推移

32:05
(2)課題
立地や施設内容、財政的な課題とともに人材の確保育成も重要な課題である。
東山魁夷記念館、芳澤ガーデンギャラリーなどとの関連性を整理し、芸術文化の中核施設として構想の素案をまとめていく必要がある。
専門家や市民の意見を聞きながら、構想の策定、整備計画の策定を進めていく。

37:10
赤レンガ建物
答弁 小川企画部長
(1)現在の状況
赤レンガ建造物は希少性が高く、市民グループから保存活用を求める声をいただいている。
本市では平成27年度と平成29年度に千葉県に対して「赤レンガ建造物の保存を求める要望書」を提出している。令和元年度には、赤レンガ建造物以外の建造物の除却と土地の安全性の確保を行うよう県に要望し、その後も、県と市で定期的に協議を行っている。
県はPCB使用機器の除去、筑波大学付属聴覚特別支援学校との境界へのフェンス設置など安全対策を講じている。令和7~8年度まで、限度額8億8千5百万円の債務負担行為を設定し、2年間で廃棄物処分、残存建造物の上屋と基礎の解体にかかる調査及び実施設計を行う予定と聞いている。赤レンガ建造物はこれに含まれず、県は本市の要望に沿った対応を行っていると認識している。
1/26 [赤レンガ・フォーラム2018] 盛況&終了!
平成27年度県要望書
平成27年度県要望書
旧血清研究所の解体工事 日刊建設タイムズ
PCB機器の処理促進について

39:22
(2)今後の取り組みと見通し
近接する学校との関係や地域の実情を踏まえたうえで、取り組みを進めていく必要がある。残存建造物の除却解体後の将来的なあり方について、県と協議しているが、狭あいな周辺道路や土地の形状、土壌改良の必要性、赤レンガ建造物の保全方法など、さまざまな課題も存在している。
赤レンガ建造物と当該跡地を最大限、有効活用できるよう、幅広い視点から検討し、引き続き県と協議を行っていく。

1:07:40
再質問 市立美術館構想
今般、洋画家の中山忠彦氏の奥様から自宅や貴重な調度品、作品寄贈の申し出があった。このことは、市立美術館設立の構想に影響を与えているのか。

1:11:10
再答弁 山影文化国際部長
本市の貴重なコレクションとなると認識している。今回の寄贈が美術館のコンセプトや理念など、大きな方向性への影響を与えるものではないと認識している。

1:24:40
再質問 赤レンガ建物
10年ほど前には市民を対象に何回か見学会を開いてくれた。その後「開くことはできない」ということで、市民の目に触れる機会は持てていない。一時期、多くの市民が関心をもった赤レンガ建物が、市民の記憶からどんどん忘れさられていくのは、大変残念である。見学会に参加すれば、文化財のことも分かるし、同時にかつてここでワクチンや血清の研究や製造を行っていた血清研究所の歴史も知ることができる。ぜひ市民向け見学会を開催してほしいが、市として県に働きかけてくれないのか。

1:25:45
再答弁 小川企画部長
見学会は、これまで主催する市民グループと県が直接交渉して実現に至ってきた。県に確認したところ、今後敷地内で廃棄物の処分や、残存建造物の除却と基礎の解体にかかる実施設計が開始される予定で、日程を確約できないことや、建物の老朽化などにより安全性が確保できないことから、一般の敷地内への立ち入りは制限され、現在は実施できない状況であると伺っている。本市としては、市民グループからの様々な要望は、適宜検討、情報共有を図ってきている。今後、安全性が確保され、県が再開できると判断した場合には、市としてできるサポートを考えていきたい。

1:26:50
再質問
ちょっと残念ながら、「県が判断したら」とか「県に」という話で、当然県のものだが、「安全確保についても、われわれ市川市もこういうことができます」とか、いろいろなことが提案できると思う。市民に知ってほしい、忘れ去られないでほしいということなので、ぜひお願いしたい。
赤レンガ建物は、20年以上放置されて、年々傷みが進んでいる。放っておくと、重要な文化財がいつか崩壊してしまうかもしれないし、修復不能になってしまうかもしれない。本市にとっても、歴史的文化財の保存は重要なはずである。県にしっかりした保存を働きかけてもらうことが最初で、県が必要な手立てを取れないというのであれば、本市が保全のために自ら手を打つということも必要と考える。提案していっていいと考えるが、本市の考えを伺う。

1:28:27
再答弁 小川企画部長
県からは赤レンガ建造物や敷地内の状況について随時、情報提供してもらっている。現在、赤レンガ建造物は、屋根が傷みブルーシートで処置を講じているが、老朽化が進んでおり、保全措置が必要である。本市としても懸念事項ととらえており、県と協議を進めていきたい。

1:29:02
再質問
県とはいい関係で協議を続けているとの答弁をいただいた。それであれば、もう少し直接的な主導権というか提案もしていきながら、少しでも進んでいってほしい。残念ながら、今回の答弁には、「難しい」とか「県次第」といった言い訳が多いように思う。県任せ、他人事と思わず、本市が主体的に積極的に、払い下げられた場合の活用方法について、いろいろな案を練っていくことも必要かと思う。まだ払い下げられていないんだから、活用する案なんてと言ったって、県は市川市が公共的な活用をするのを条件に譲ると言っているのだから、前もって考えておかなければいけない。市民を巻き込んで、活発な議論も盛り上がるといいのではないか。検討の事実や結果をもって県に働きかけをして、硬直している問題をぜひ前に動輪の動くように頑張っていただきたい。


【傍聴して】
➀赤レンガ建築物は、別途文化財として保存を考えること
②血清研究所跡地周辺の道路問題、敷地の区画などを課題として捉えていること
が判ったのは収穫でした。県と市で協議していることが伺えます。

見学会の実施や赤レンガ建築物の保全措置の対策については、進展が見られそうになく残念です。見学会は敷地の状況から見て難しいかもしれませんが、保全措置を講じることについては、もっと働きかけていいように思われます。県の財産ということは県民の財産とも言え、文化財的価値があることを把握しながら、ブルーシート養生しかしていないという実態は、行政としての責務を果たしているといえるのか検討する必要がありそうです。
署名活動を始めました!

この間、田中市長は発言しませんでしたが、再質問の終わりに、大きくうなずいたように見えたのは、欲目でしょうか。

美術館構想は、多様性、社会包摂への対応が挙げられており、私たちが跡地利用で構想している「文化の拠点」と通じるものがあると思われました。私たちもこれまで提案してきた活用案を見直し、美術館構想とすり合わせできるように、コンセプト、機能、役割などを整理していけたらと思います。

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